「『Fate/hollow ataraxia』発売記念 TYPE-MOONインタビュー完全版」

奈須:(略)セイバーが人間としての理想であり、凛が人間としての希望なら、桜は人間としての幸福を象徴するキャラにしたかった。
武内: Fate/stay nightの中では、「Fate」が「英雄譚」、「Unlimited Blade Works」が「活劇・群像劇」、最後の「heavens feel」が「人間の話」だったのかなと思うんですね。その「人間の話」の中央にいたのが、間桐桜という人間だったんじゃないかなと。

最初にプレイしたとき、前の2つでプラスのイメージがありすぎて、
「heavens feel」は、プレイがかなりしんどいと思うこともあったが、
2回目にやったときは、前の2つに対する話として「heavens feel」は絶対必要だよなぁと思った。
これがあるとないのとでは、話の奥行きが違うんだよね。
やっぱり、陽と陰、理想や希望に対する厳然とした現実があった方がバランスがいいんだろうな。

厳然たる現実という意味で、イリヤルートがない理由をこう解釈することもできる罠。
ただ、ある種の倒錯を奈須作品自体が帯びているというのなら、
あえてイリヤルートを外す理由をそこに集約するのも穿ちすぎかなとも思うけど、微妙なところだな。